法人化は、このようなケースにおいて、借入金を効果的に返済し、再生を図る手段としても活用することができます。
まず、マンションについては、鑑定評価を受けたうえで代金を定めて、法人に売却します。マンションの時価は帳簿価格より低くなっているケースが多いので、法人に売却した結果として売却損が生じることになります。
また、利用していない遊休地、たとえば耕作していない農地などがあれば、生産緑地を解除するなどして売却します。この場合、土地については売却益が生じます。そして、譲渡所得税も生じます。
そこで、建物を売って生じたマイナス(売却損)と、土地を売ったプラス(売却益)とをぶつけます。つまり、相殺するわけです。
こうして得たプラス分で、借入金をある程度返済して、残額を法人に引き継がせることにより、賽銭の道筋を作っていくわけです。
このように、「法人化」は、相続対策にとどまらず、多用な活用方法が考えられます。ぜひ、前向きに検討してみてください。
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