税理士 土田士朗
税理士 土田士朗
 では、弁護士に委ねたからといって、果たして、そうした次男と三男の要求をはねのけることができるのでしょうか。

 たとえば、相続財産のうち10分の9は本家に残して、後の10分の1を次男と三男で分けるというような形で弁護士は話をまとめられるのでしょうか。

 おそらくそれは難しいでしょう。

 弁護士が出てきたからといって、次男、三男が、「じゃ、自分は3分の1もいらない。本家を守るために我慢するよ」などと譲歩するとは思えません。もし、2人がそんな殊勝な態度をとるようなタイプであれば、弁護士が登場する以前の話し合いでとっくに譲歩していたはずです。

 したがって、弁護士が出てきても、最終的には法定相続分のラインでまとめられる、結局、各自に3分の1ずつ財産を分けるということになるはずです。

 そうであれば、弁護士に依頼せずに、もめた時点で法定相続分にしたがって分割すればよかったのです(長男としては納得がいかないでしょうが、遺言書等で対策をとっておかなかった以上、やむをえません)。

 実際、私がこれまでにサポートしてきた案件で、当初、こちらが提案していた解決策と、弁護士に依頼して最終的にまとまった解決策とで異なっていたことは一件もありません。

 結局、「弁護士に依頼して、余計な費用と時間がかかってしまった」というだけで終わる場合がほとんどです。

 したがって、遺産分割を巡るトラブルの解決を弁護士に依頼する場合は、本当にその必要があるのかを慎重に検討することをお勧めします。

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