税理士 土田士朗
税理士 土田士朗
 みなさんは、ご自身もしくはご家族の相続税がどのくらいになるかご存じでしょうか。

 平成25年度税制改正において、所得税及び資産課税についての課税強化が決定されました。みなさんの家の財産を守るためにはどうしたら良いのか、一緒に考えたいと思います。

相続税シュミレーション

上の図は、家の財産を守るための生前対策の考え方を表しています。

 第1ステップとして、現状分析をすることから始めます。具体的には、財産の大部分を占める土地を評価し、預貯金や有価証券などの財産をプラスします。そこから借入金などの債務をマイナスして相続税のシミュレーションを行います。ご自身で土地の評価の見当をつける場合には、国税庁が発表している路線価に面積を掛ける方法で充分でしょう。生前対策をする前の現状分析ですから、大まかな数字で構いません。

 第2ステップは、その現状分析をもとにお持ちの財産を①自宅や収益の柱(ご商売に使っている不動産や農地・アパート)など、必ず守らなければならない財産、②①の財産ほどではないが、有効活用をしている、またはこれから有効活用を検討(再検討)する財産、③相続の際には売却処分して納税に充てるかも知れない財産に分類します。この財産の分類をすることによって、第1ステップで計算された相続税の納税額を支払うためにどうしなければならないか、というイメージを持つことが重要です。

 そのイメージを掴んだ上で第3ステップである、資産防衛対策を考えます。この図の上では、財産の分割と相続税の納税のみを挙げていますが、もちろんこの他にも、土地の評価額を下げたり、相続税の納税額を限りなく抑えるいわゆる「節税」も加味します。

 弊事務所が関与した近年の相続を振り返ってみると、財産評価や相続税の納税のことよりも、相続人の間で財産を分割することがいかに困難であるかを痛切に感じます。その分割をスムーズに行うための対策も重要です。具体的には正式なルールに則った「遺言書」などを準備することが挙げられます。

 また、相続税の納税のための対策も欠かせません。残念ながら「生産緑地」を処分しなければならなくなった場合には、その生産緑地の解除、売却先の選定などに時間を要しますので、相続税の申告期限である10ヶ月はあっという間に迫ってきます。

 相続税は生前(事前)の対策が重要です。また、この3つのステップの中で、最も重要なのは、第1ステップの現状分析、具体的にはシミュレーションを行うことです。ご自身で大まかに評価することも大事ですが、まずは弊事務所にご相談下さい。

 相続専門の担当者がシミュレーションや資産防衛対策をお手伝いします。