税理士 土田士朗
税理士 土田士朗
 また、土地の有効活用を図る際には、通常、銀行等の金融機関から融資を受けることになるはずです。

 そこで、できれば、そのサポート役も安心して任せられる税理士、つまりは銀行との交渉に長けた税理士を選ぶことが望ましいでしょう。

 というのは、特に都市農家の方に多いのですが、融資の際の貸し出し条件について銀行に言われるがままになっているために大きな不利益を被っているケースがみられるからです。

 たとえば金利一つとっても、銀行から、「10年固定で1.8%でいかがでしょうか」などと言われると、そんなものかと思い、そのまま受け入れてしまう人が少なくありません。

 しかし、今であれば、それよりも低い利率、たとえば1.2%で融資してくれるところもあるでしょう。仮に億単位で借りていれば、金利が0.6%も違えば、最終的に返済する金額が数千万円も変わってきます。

 また、そもそも、借入金の返済方法には、元利均等と元金均等という2つのタイプがあるのですが、ほとんどの人は、その違いについても全く無頓着です。

 元利均等返済は、元金と利息を合わせた返済額が変わらないタイプで、たとえば返済額を50万円としたらそのままずっと50万円を返済し続けるやり方です。

4-2

 一方、元金均等返済は、元金部分を返済期間で均等に割り、元金部分の残高に応じて利息部分を計算し上乗せしていく返済方法です。元金の返済額は固定しており、それに利息をプラスして支払っていくイメージです。

 返済当初は、元金均等の方が、返済額が大きくなるので、支払いがきつく感じられるかもしれませんが、トータルで考えれば、返済総額は少なくすみます。逆に言えば、銀行からすれば、元利均等返済の方がより多くの支払いを得られることになる、つまり“もうけ”が大きくなるわけです(図表4−2参照)。

 本来は、このような両者の違いをしっかりと踏まえたうえで、どちらの形で借りるのかを決めなければならないのですが、ほとんどの人は、銀行に勧められるがまま、(銀行にとってはありがたい)元利均等返済を選択している状況があります。

 金利の計算等は複雑で一般の人にはわかりにくいところがあります。それだけに、「計算のプロ」である税理士のサポートがあれば、銀行との交渉において心強く大きな安心感を得ることができます。

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