税理士 土田士朗
税理士 土田士朗
 なお、法人化を行ったような場合、法人をさらに発展させていこうと考えているのであれば、金融機関とどのように付き合うかは最重要事項の一つとなります。たまに「金融機関とはお互いだまし合いの関係だ」などとうそぶく人もいますが、金融機関は敵ではなく重要なパートナーと考えた方がよいでしょう。

 そこで、金融機関とうまく付き合うためのコツをいくつかご紹介しておきます。

1.嘘をつかない

 嘘をついたり、虚勢を張ってみたりしても、いつかボロが出てしまいます。嘘をつかず真摯に付き合うよう心がけましょう。

2.法人の状況をきちんと説明できるようにする

 資金繰りや経理は担当者や税理士に任せきりで、財務状況の説明ができない方も多いのではないでしょうか。自分の法人の財務状況については、きちんと自分で説明できるようにしましょう。

3.一つの金融機関だけに集中させず、バランス良く複数と付き合う

 創業以来ずっと世話になっている関係で、一つの金融機関としか付き合わないような人がよくいます。しかし、金融機関はバランス良く複数と付き合うことが大切です。これは「浮気」ではなく、金融機関も望んでいることでもあります。なぜなら、金融機関も他行がその法人をどのように評価しているのかを知りたいですし、リスクヘッジにもなるのです。また、法人の成長に合わせて、日本政策金融公庫、信用金庫・信用組合・JA等、地方銀行、メガバンクと身の丈を合わせバランス良く付き合うことも重要です。

4.メインバンクを持つ

 お金を預けているところがメインバンクではありません。給与振込や公共料金の支払い、そして何より借り入れをしている金融機関がメインバンクです。

 金融機関は経営者の報告を待っています。毎月とは言わないまでも数ヵ月に1度は金融機関に法人の月次決算書を持って説明に出かけましょう。

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