税理士 土田士朗
税理士 土田士朗
 生前に行える相続対策の中では、やはり遺言書が最も重要になります。

 遺言書の活用方法は、様々な形で考えられますが、ここでは、都市農家の方々が利用する場合を想定して解説していきましょう。

 まず、遺言書を作る際に、第一に考えなければならないのは、守らなければいけない財産、すなわち、第2ステップで分類した本家の自宅や農地等の死守する財産をどのようにすれば次世代に残していけるのかということです。

 被相続人が父親であるか母親であるかによって細かな内容は変わってきますが、基本的にそれらの財産を跡継ぎとなる者が単独で所有できるような遺言書を作成することになります。

 また、跡継ぎとなる者以外の相続人について遺留分がある場合には、その遺留分を支払うための具体的な方法も遺言書の中で定めておきます(後述の遺留分の事前放棄による対策がとれない場合を想定しています)。

 さらに、将来、被相続人となる者が複数人いるような場合、そのいずれが先に亡くなるかによっても、とるべき相続対策の内容は異なってきます。

 そこで、たとえば父親が先に亡くなった場合を想定したAプラン、母親が先に亡くなった場合を想定したBプランというように、プランごとに遺言書を作成しておくことも必要となるでしょう。

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