税理士 土田士朗
税理士 土田士朗
 さらに、相続税は現金一次納付が原則となっています。つまり、全額をキャッシュで納めなければなりません。

 たまたま不動産需要が高いときに相続が発生して、不動産を購入してくれる人がすぐに現れれば、不動産を売却して相続税納付のための十分な資金を確保することが可能となるでしょうが、そうなる保証はありません。

 その場合には、現金による一括納付が困難となるおそれがあります。

 ご存知の人もいるでしょうが、相続税については、制度的には、「延納」や「物納」も認められてはいます。

「延納」とは相続税を分割で納めること、「物納」は現金ではなく、相続した不動産などの現物で納めることです。

 これらの制度は、かつては、現金による一括納付が困難な場合の救済策として機能していました。

 たとえば、物納については、とりあえず物納申請しておき、現金を工面した後で、申請を撤回するという手法が使えたのです。

 しかし、現在は、このような手法をとることは認められておらず、物納自体が認められにくくなっています。延納も同様です。

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