税理士 土田士朗
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 また、遺留分は、一部だけを放棄することも可能です。

 たとえば、家族で同族会社を営んでいるような場合であれば、会社の全株式を長男に相続させるために、他の兄弟姉妹には会社の株式に関する遺留分を放棄してもらうという方法をとることもできるのです。

 このような遺留分の事前放棄を利用した相続対策は、家族の仲が良い場合には、遺言書の場合と同様、おそらく不要となります(遺留分の放棄を求めたときに、やはり、「私たちを信頼してくれないのか」という話になるはずです)。

 また、兄弟姉妹間に仲が悪く、確実にもめることが予想されるような場合には、遺留分の放棄を求めても応じてくれないのは目に見えています。

 したがって、この方法を実際に活用できるのは、家族間の仲がすごく良いというわけではないが、遺留分の放棄を拒むほどにはこじれていないというように、やや微妙な関係の場合に限られるかもしれません。

 しかし、利用できる場合が限られているとはいえ、相続後に、遺留分の主張をされるおそれが多少なりともあるのであれば、その可能性を封じておくという点において、このような対策をとっておくことに大いに意味があります。

 また、家長が生きているうちに相続を完結するという意味からもとても有効な手段です。

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