相続発生前・後にかかわらず地主がまず注意しなければあんらないのは、建設業者からのアプローチです。
建設業者は、理由や経緯は何であれ、注文さえとれれば確実に利益を得ることができます。
そこで、業者の中には、どうみても入居者が入りそうもない場所であっても、「とりあえず作らせましょう」とばかりに、マンション、アパートを建てることを土地オーナーにしつこく勧めてくる者がいます。
このような業者は、空いている土地をみたら、ひたすら夜討ち朝駆けで飛び込み営業をかけてきます。
朝10時に来たら夜10時まで帰らず、「とりあえず手付けを打ってください」「簡易な測量をさせてください」「契約書にサインを押さないと帰りません」などと言い続ける者もいれば、巧みに相手のふところにとびこんで、ひたすら情に訴えかけようとする者もいます。
私の知っている例では、父親が亡くなり母一人、娘一人となった農家の家に、業者の男性営業マンが毎日のように通いつめ、庭仕事や納屋の片付けなどを手伝っているうちに、いつのまにかマンションを一軒建てさせてしまっていたというようなケースがありました。
ちなみに、当初、私は、そのマンションを建てるべきか否かについて、とある金融機関のつてで母子から個人的に相談を受けており、収益面で疑問があったので考えなおした方がよいとアドバイスしていました。
しかし、そんな私の存在を業者側が煙たがって、何らかの”工作”をしたのでしょうか。母子は、いつしか私のもとを訪れなくなりました。
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