相続人が、相続が始まる前に家の財産を十分に把握していないと、大きなトラブルに発展することが少なくありません。
残念ながら、都市農家の場合には、そもそも、相続時に相続人が相続財産を正確に知っていることの方がまれです。
一般的に、農家のように代々、長男が家業を継ぐ習慣となっているような家では、家長が、「自分が代表して先祖代々の土地・財産を管理している」という意識が強く、相続人となる妻や子に財産の全容を明かしていないケースが多いからです。
そのため、家長が亡くなり、いざ相続が始まると、相続人は、どれだけ財産があるのかも把握できない状態で、遺産分割や相続税の申告・納付という難しい問題に直面することになります。
そもそも、相続人の多くは、相続税や法律に関して十分な知識を備えているというわけではありません。
しかし、相続税の申告にせよ、遺産分割にせよ、それらの処理を的確に行っていくためには、やはりある程度の専門的な知識が必要となります。
どれだけの財産があるのかわからない、専門的な知識がないから何をどのように進めていけばよいのかもよくわからない・・・。
そのようなわからないことだらけの中で、家長を失った相続人の中には、「いったい、どうすればよいのだ・・・」ととまどい、強い不安感に襲われる人もいるでしょう。
また、中には、頭が真っ白になって、パニックになる人がいても不思議ではありません。
相続発生後にこのような混乱した状態に陥ってしまうと、様々なトラブルに巻き込まれるリスクが大きく高まることになります。
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