税理士 土田士朗
税理士 土田士朗
 仮に、こうしたバブルの後遺症に悩まされることなく、順調に賃貸事業を営んできたような人であっても、この先、同様の状況が続くとは限りません。

 近時、都市部では下げ止まりの兆候も現れていますが、かつてに比べて土地の価格は大きく下がりました。それに加えて、パワービルダーと呼ばれる、システム化された手法を駆使して大量の建て売り住宅を作って、安価な値段で販売するハウスマーカーも現れています。

 そのため、東京郊外のベッドタウンであれば、駅近くでも4000万円も出せば一戸建てを購入することが十分に可能です。

 しかも、低利の住宅ローンが、よりどりみどりの状態です。「それだったら、3LDKの部屋を月9万円出して借りるよりも家を買ってしまう方がよいかもしれない」と考える人は少なくありません。

 さらに人口減少・少子高齢が追い打ちをかけます。現在、日本の年間出生数は、いわゆる「第一次ベビーブーム」と呼ばれた1940年代後半に比べると半分以下に落ち込んでいます。

 このような少子化の進行の結果として、総人口は2008年の1億2808万人を頂点に減少の一途をたどっているところです。

 当然、賃貸需要にもマイナスの影響が及ぶことが予想されます。

地主のための相続対策1-3

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