税理士 土田士朗
税理士 土田士朗
 この度、弊事務所創業50周年記念事業第3弾として、「地主のための相続対策」を幻冬舎より上梓させていただきました。

 父である土田惇士が、昭和50年9月に出版した、自身としては2冊目の「減らすな財産 意表をつく節税法 資産防衛(廣済堂)」を書棚に背負いながら、いつかは税理士として長く携わっている相続に関する本の執筆をしたいと考えていました。また、年齢的にも40代最後の年となり、少し早いのかも知れませんが、出版により自分の存在意義を自分なりに確認したいとも思いました。

地主のための相続対策 拙著は、都市近郊の地主様の相続対策にフォーカスさせていただき、相続に悩む地主様が、相続が発生する前にどのような対策をとれば良いのかを、今までの経験に基づいて分かり易く書いたつもりでございます。

出版社の意向により、面白おかしく誇張して書いた部分もあり、まだまだ私自身不本意なところもございますが、ご興味がありましたら、是非お読み下さい。

地主のための相続対策 もくじ

はじめに

Chapter 1 所有する土地が広い分だけ相続トラブルは増える

 土地と建物は地主の相続を複雑・深刻にする

 不動産経営を取り巻く状況も厳しい

 バブル期の後遺症は今も続いている

 少子化の影響により賃貸需要は低下していくおそれがある

 建て替えのためには多額の費用が必要となる

 都市近郊のベッドタウン化が農地の意味と価値を変えた

 人口が増加していき都市近郊のベッドタウン化が進む

 価値の低いエリアに土地を持っていればその活用に苦労する

 農家は税制面では優遇されているが・・・

 安易に納税猶予にすると利子税の負担がのちのち重くのしかかってくる

 生産緑地の解除が認められないおそれもある

 都市農家の直面する問題は国民にとっても大きなテーマである

Chapter 2 財産の把握不足が相続トラブルの元凶

 財産を把握していないと相続トラブルが起こりやすくなる

 多額の金銭が動く相続ビジネスの食い物にされる危険がある

 建設業者からのアプローチには用心が必要

 無計画にマンションを建てた後に青ざめる土地オーナー

 家賃保証の条項は全文をしっかりとチェックする

 脱税指南をするコンサルタントには絶対に耳を貸すな

 相続税を手がけている税理士は実は少数派

 銀行の遺言信託サービスにも注意が必要となる

 事前の相続対策で業者にスキを見せないことが重要となる

 第1ステップでは人間関係の把握も行う

 第2ステップでは自宅の扱いが焦点の一つとなる

Chapter 3 財産を目減りさせない相続対策

 相続は突然に始まる

 タイムリミットはわずか10ヶ月

 物納・延納も制度的に存在するが、実質的には難しい

 物納・延納が困難な時代に求められる安心できる相続税対策

 資産防衛は4つの視点から取り組む

 財産を適切に分けるために財産の分割の視点をもつ

 亡くなった後のことを法的に残すなら「遺言書」

 自筆証書遺言はルールに反すれば無効となる

 遺言書を作成する場合は公正証書遺言にする

 公正証書遺言の作成費用はさほど高くない

 遺言書は水戸黄門の印籠のようなもの

 相続が起きる前に済ませたい「遺留分の放棄」

 遺留分は一部だけを放棄することも可能である

 前妻の子どもに遺留分を放棄してもらうこともできる

 身内に財産を残したければ「養子縁組」

 養子が実子ともめるリスクには要注意

 養子縁組の手続きは簡単

 柔軟な対応ができる「家族信託」

 二次相続を想定して活用してもよい

 絶対に避けたい兄弟同士の「共有分割」

 共有状態を続けるのであれば、預貯金に注意する

 弁護士にトラブルの解決を依頼する前に考えておきたいことがある

 弁護士に依頼しても、結局、解決方法は変わらない

 節税の柱となる2つの視点

 いつでも誰に対しても財産を与えられる「贈与」

 贈与は「あげた」「もらった」という事実が必要となる

 通帳を自分で管理していたか否かが分かれ目となる

 婚姻20年以上連れ添った夫婦だからこそできる「配偶者控除」

 孫に喜ばれる「教育資金の一括贈与」

 広大地評価を上手に使って”何もしない”対策を実施する

 マンション適地と認められたら広大地にはならない

 相続時精算課税制度で広大地評価を確定しておく

 相続税の圧縮に効果がある資産の組み替え

 法人税の引き下げにより法人化のメリットはますます大きくなる

 まず建物を売却し、相続時に土地を売る

 株式会社化する場合、株式については要注意

 相続前の債権放棄も検討したい

 法人化再生プランによってバブル期の後遺症対策をする

 「納税の視点」が求められる時期にできる対策は限られている

 税理士の選択が税金の金額を大きく左右する

 「税務申告・調査の視点」では、税務調査への対応が重要ポイント

 書面添付は「カルテ」を添付するのに似ている

 書面添付制度は税務署の疑念を晴らす意味で大いにメリットがある

 書面添付制度を利用すれば税務調査が省略される可能性あり

 税務調査については近時改正が行われた

 法人化を行った場合も書面添付は有効

 生命保険金を巡る今後の動向については要注意

 生命保険を口座引き落としにしている場合は要注意

Chapter 4 財産を残したければ対策の選択肢があるうちに手を打つ

 独自の相続対策には限界がある

 複数の相続手法を安易に組み合わせると矛盾が生じることがある

 税理士には包み隠さずすべてを話すことが大切

 包み隠さず話しておけば税務調査への対応もスムーズに行える

 相続が起きる前に税理士に相談すれば解決の選択肢も広がる

 成年後見監督人を動かすためにはテクニックが必要になる

 相続案件の依頼は慎重に検討する

 土地持ちの相続はその土地を熟知した税理士に任せる

 銀行交渉に長けた税理士を選ぶ

 金融期間とは上手に付き合う

 地主の間で相続争いは増えている

 兄弟姉妹の配偶者が理不尽な請求をしてくるケースも

 相続争いの末に心労に倒れる者も

 家族・親族間のもめごとは避けた方が絶対に得

 農家を一生懸命やっていればもめごとは起きない

 農業に精を出す都市農家の未来は明るい

おわりに