山崎理恵子
山崎理恵子
 平成23年12月に国税通則法等の改正が行われ、調査手続の透明性と納税者の予見可能性を高めなどの観点から、税務調査手続について現行の運用上の取扱いが法令上明確化されました。従来から行われていた手続と大きく変わるものではありませんが、平成25年1月1日以後開始する税務調査の流れは次のようになります。
(1)事前通知
(2)税務調査(実地調査)
(3)調査結果の説明
(4)修正申告又は更正決定等をすべきと認められない旨の通知。
別掲のとおり書面添付制度に基づく書面が申告書に添付されている場合は、(1)の事前通知の前に税理士の意見聴取が行われます。

(1)事前通知では、納税者に対し調査の開始日時・開始場所・調査の目的・調査対象税目・調査対象期間・調査の対象となる帳簿書類等が通知され、税務代理を委任された税理士に対しても同様に通知されます。

ただし、事前通知をすることにより正確な事実の把握を困難にする、又は調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合には、事前通知を要しないものとされています。事前通知なしで突然税務署がやってきた場合は、調査には協力するが税理士が来るまで待つよう要求し、税理士が到着するまではムダ話もせず、毅然とした態度をとりましょう。

税務調査までに準備しておく書類は、事前通知された帳簿書類等となりますが、3期分の総勘定元帳、現金出納帳、預金通帳、レジペーパー、納品書、請求書、領収書、棚卸表、減価償却資産明細表、給与台帳、扶養控除等申告書等、契約書、議事録などを整理しておきましょう。

(2)税務調査の際は、税務署の調査官は身分証明書と質問検査章を提示することになっています。調査官は質問検査権に基づく質問をしますので、わかることは正直にはっきりと答えます。担当していない仕事について想像で答えることは避けましょう。また、求められた帳簿書類などは速やかに提示又は提出します。預かりと返還の手続も明確化されています。整然と保存された証憑書類を速やかに提示できることは調査官に好感を与えます。金庫の中を見せて欲しいと言われることもあります。個人的な書類や現金が入っていると、あらぬ疑いを持たれることにつながりますので、日頃から整理し、現金実在高と帳簿残高を合わせておくことを習慣づけることが重要です。

(3)調査の結果、申告内容に誤りが認められた場合は、調査結果の内容が説明されることになっています。その際には修正申告を行うよう勧奨されます。

納得した場合は(4)修正申告をします。納税者が修正申告の勧奨に応じない場合は、税務署長が更正又は決定の処分を行い、その通知書には処分の理由が記載されます。申告内容に誤りが認められない場合は、その旨が書面により通知されます。

これらのどの場合においても、その後新たに得られた情報に照らし非違があると認められるときは、再調査となることがあります。

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