税理士 土田士朗
税理士 土田士朗
 金融円滑化法(モラトリアム)延長終了が決まり、中小企業への金融支援環境がさらに厳しさを増す中、中小企業庁は中小企業の財務経営力の強化のために「中小会計要領」を発表しました。

 非上場企業である中小企業には上場企業向けの会計ルールは必要ないとしても、簡単に利用できる会計ルールもありませんでした。「中小会計要領」とは、中小企業の実態に即して作成された新たな会計ルールです。

 リーマンショックや東日本大震災により導入された金融円滑化法やセーフティネット保証の緩和支援等は一定の効果があったとはいえ、中小企業側が支援を受けている間に取り組むはずであった売上及び利益の改善に大きな効果が現れなかったこと、金融支援策等は中小企業の延命措置の意味合いはあったものの、倒産件数等に歯止めがかかっていないこと、また、平成24年3月までの1年間の間に金融機関が代位弁済を受けた100%保証制度の債務残高は6,400億円にものぼり、その多くに税金が投入されていること等が、この「中小会計要領」が導入された背景となっています。

 これまで中小企業は税務署に提出する税務申告のために会計処理をしていましたが、これからは経営に役立つ会計ルールにより処理をすることが望ましいとされます。
1.経営者がきちんと財務を把握する
2.経営者が自社の数字を用いて比較分析することにより投資判断、経営改善等に役立てる
3.金融機関等との信頼関係を構築する
などの効果に繋がり、ひいては財務経営力の強化が図れるうえ、資金調達力の強化も期待できます。

 今現在のところ「中小会計要領」を導入した場合のメリットは日本政策金融公庫をはじめとする金融機関の優遇金利等のみではありますが、これから充実していくことが予想され、また金融機関の融資審査にも加味されていくものと思われます。

 なにより「中小会計要領」の導入が中小企業の復興に寄与し、ひいては日本経済の再興に資することが大事なことです。我々は「中小会計要領」の導入を標準業務として捉え、全力でサポート致します。

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