税理士 土田士朗
税理士 土田士朗
 うちには相続税の申告は関係ないと思っていたら、突然税務署から相続税の申告書や相続についてのお尋ねが送られてきてしまった。そんな時の対処方法についてお話をします。

 相続税法では、お亡くなりになった方が住んでいた市区町村長から所轄税務署に対して死亡通知書を送付することが義務づけられています。税務署は、死亡通知書を基にして、コンピュータに入力し、①過去の所得の状況②固定資産税の納付状況③法定調書(不動産の貸付や不動産の譲受対価など)や法定外調書(税務職員が足で調べた情報など)などのいわゆる探聞情報を加味し、相続税の申告書を送るもしくは、お尋ねを送る相続人を選定しています。
 この選定の結果で、課税対象と見込まれる事案については、申告書を送付します。(申告案内)また、課税になる可能性がある事案については、お尋ねを送付します。

 しかしながら、PCによる選定処理は途中までで、最終的には税務署の担当者の判断となりますので、年によっては件数のばらつきが生じます。また、選定基準は時代に応じて変更されます。

 お尋ねが送られてきてしまった場合には、そのお尋ねの内容(土地の所有状況や預貯金・有価証券の概算など)にしたがって回答しなければなりません。無視してしまうと、無申告事案として、突然税務調査となる場合がありますので、ご注意下さい。

 相続税の申告書が送られてきてしまったら、前述のとおり、税務署としてはこの相続人は相続税を納めるハズだと踏んでますので、こちらは、さらにきちんと対処をしなければなりません。

 会計事務所によって対処方法は違うと思いますが、弊事務所では、財産目録を作成し、簡単な相続税の申告書のような申告検討表を使って税務署に説明しています。

 いずれにしろ、このように突然の税務署からの送付物に驚かないように、自分は相続税がかかるのか否か、税理士に対して事前の相談が肝要です。